ウルトラマン消しゴムでトントン相撲!|昭和の消しゴム文化変遷史

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昭和子供文化遺産/消しゴムは僕らの宝物だった!

本来文具であるはずの消しゴムが、玩具として登場した始まりは1970年代に始まる 【練り消しゴム】が最初である。下の画像がそれであるが、固形の消しゴムしか知らなかったそれまでの僕らにとって衝撃をもって迎えられたのは事実だ。手の ひらで丸めたり、指でつぶしたり、さらには両手に持って伸ばしたりと自由に形を変えることができ、なおかつ緑、青、赤、黄色など色がついているのも魅力 だった。

地方によっては【ミーバー】とも呼ばれ、当時の子供たちは形 をかえたり伸ばしたりしてみてはゴムの感触を視覚と指先で楽しんでいた。
そんな練り消しブームから2年ほど経ったのちの同じく1970年代、スーパーカーブームが湧きおこる。このとき登場したのが、スーパーカー消しゴムだ。
初期のスーパーカー消しゴム
画 像は初期のスーパーカー消しゴム。造形は非常に単純で形からかろうじて車種を判別することができる程度のものだった。それでも当時の僕らの心を強くつかん だのは事実だ。そしてこのスーパーカー消しゴムの登場こそが、それまで文具でしかありえなかった消しゴムを玩具へと押し上げた立役者だった。そんなスー パーカー消しゴムであるが、消しゴムと銘うっていながらも、消しゴムとしての役割をほとんど果たすことができない事実を僕らはすぐに知ることになる。
ランチャストラトスターボ消しゴム
消 しゴムの機能を果たさないことがわかっても、そんなことは僕らに関係なかった。僕らにとってスーパーカー消しゴムは、文字を消すための道具ではなかったか らだ。画像はブーム後半のスーパーカー消しゴムであるが、見てのとおり初期のスーパーカー消しゴムと比較すると造形力は格段と優れたものになっていた。車 種も豊富になり、コレクションする楽しみもあたえてくれた。またスーパーカー消しゴムのブームに付随して売上げを著しく伸ばした文具がある。それが通称 【パッチンペン】と呼ばれた【BOXYのボールペン】である。


上 の画像がそれであるが、当時の子供たちはこのボールペンを文字を書く道具としてではなく、スーパーカー消しゴムを走らせるための道具として活用した。具体 的には内蔵されているバネの反発力をスーパーカー消しゴムを走らせるエンジンあるいはアクセルとして活用したのだ。より強力なエンジンを手にいれるため に、当時の子供たちはバネを引き伸ばして反発力を強くしたり、ボールペンを余分に一本購入してバネだけを取り出し、片方のペンにバネを2本仕込むなどして 加速性を高める工夫をした。こうしてできた【パッチンペン】を利用してスーパーカー消しゴムを走らせ、レースをしたり、卓上で落としっこをしたりして楽し んだ。これらの勝負のルールとして、勝者は敗者のスーパーカー消しゴムを得ることができた。

やがて訪れたブームの終焉
一 大ブームを巻き起こしたスーパーカー消しゴムであったが、やがてはブームも終焉をむかえる。きっかけはと言えば、単に飽きがきたのだろう。僕らの休み時間 の遊び場は再び校庭へと移っていったのだ。こうして【消しゴム玩具】の文化は終わりを告げたかのように思えたが、再び僕らの関心をひきつけようと当時の大 人たちは新たな消しゴム製品を開発したのだ。それが【匂いつき消しゴム】である。
匂いつき消しゴム/コカコーラ
上 の画像は当時モノではないものの、おおよそこのような感じで、消しゴムに匂いがついていたのである。この場合はコーラであるが、オレンジやグレープ、それ にサイダー、珍しいところではカレーの匂いがついた消しゴムも登場した。これら匂いつき消しゴムはスーパーカー消しゴムとは異なり、本来の消しゴムとして の機能を有していた。さらにスーパーカー消しゴムは男子児童の間に流行した文化であったが、匂いつき消しゴムは女子児童の関心も惹くことになる。ただし一 時代を築くほどのブームには至らなかった。

ウルトラマン消しゴムの登場
スー パーカー消しゴムのブーム終焉から約2年後の1970年代後半、再び男子児童の心を鷲づかみにする【消しゴム玩具】が登場した。それがウルトラマン消しゴ ムだ。別名:怪獣消しゴムとも呼ばれ、各種ウルトラマンおよびそれぞれに登場する怪獣たちが立体化された。スーパーカー消しゴム同様、消しゴムとしての機 能はなかったが、アイテム数の多さから【集めるたのしさ】を僕らに与えたのだ。

ウルトラ怪獣消しゴム/ジラース

上の画像がその一例で【ジラース】という怪獣である。当時【ジラース】の消しゴムは青色がほとんどだったので、このように緑色をした【ジラース】は珍しく 貴重である。

ウルトラ怪獣消しゴム/ジラース

【ジラース】の背面。ウルトラマン消しゴムはたいていデフォルメされていた。そのデフォルメ具合も子供達の関心を惹くひとつの要素だった。

ウルトラ怪獣消しゴム/ジラース

画像からは判りづらいが、底面には怪獣の名前が刻印されている。この場合は【ジラース】だ。

ウルトラマン怪獣消しゴム/カネゴン

こちらは【カネゴン】、珍しくデフォルメされていないタイプ。非常に出来のいいタイプである。

ウルトラマン怪獣消しゴム/カネゴン

こちらは背面の画像。ぬかりのない造形である。ウルトラマン怪獣消しゴムもスーパーカー消しゴムと同様、各種の色が存在した。当時子供だった僕らにとっ て、赤に緑に黄色に青、ピンクにオレンジといった賑やかな色彩は、目を楽しませてくれる大事な要素だった。

怪獣消しゴム/トントン相撲

怪 獣消しゴムの一般的な遊び方【トントン相撲】を再現した画像。菓子箱等を土俵にみたて、トントンとたたいては、先に倒れたほうが負け。負けたほうは勝った ほうに取られてしまうというルール。【ジラース】は怪獣消しゴムでは最強ともいわれるほど安定感があり、逆に二本足で自立しなければならないウルトラマン やカネゴンは弱かった。



懐かしのエロ写真


昭和エロ文化・懐かしのビニ本・裏本ビ ニ本という言葉を知っている人は、昭和男子でまず間違いないだろう。そんな昭和男子にとって、エロは町で手に入れるモノだったはずだ。ただし、少年だった 僕らは、書店に並ぶエロ本を買うことはできなかった。それで、山に捨てられたエロ本を採集しに出かけたり、夜な夜な自転車を漕いでは、エロ本が売られてい る自販機へと向かったりしたものだ。
エロ本自販機のあった場所・昭和エロ文化右 上の画像は、当時の状況を再現したもの。少年時代の僕らにとって、山はまさしく宝の山だったのだ。左の画像は、かつてエロ本の自販機が置かれていた現場。 シャッターが閉まった倉庫前が、その位置である。自販機のエロ本は、ビニールがかけられていたため、ビニール本(通称:ビニ本)と呼ばれていた。購入ボタ ンを押すと、商品取り出し口へとビニ本を送り出すモーター音が鳴り響く。夜の静寂を打ち破る音に、足元を震わせた者も多いことだろう。
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さて、話をもとに戻し て、【消しゴム玩具】の変 遷記です。ウルトラマン怪獣消しゴムもやがてはブームが廃れていきました。その間にも僕らの遊びには革命的なモノが登場しました。1978年にインベー ダーゲームが登場すると、子供達の遊び場は駄菓子屋からゲームセンターへと移っていきました。もはや【消しゴム玩具】は日の目を浴びることはないかと思わ れたころ、ひとつのアニメが子供達の心を根こそぎ刈り取っていったのです。そのアニメというのが、【機動戦士ガンダム】です。それまでのロボットアニメと 一線を画す説得力のある世界観に裏打ちされたこのアニメの影響は、その後今日に至るまで支持されています。そんな【機動戦士ガンダム】に登場するロボット (モビルスーツ)が消しゴム化されたのが、【ガンダム消しゴム】です。

ザク消しゴム/当時もの

画 像はガンダム消しゴムの当時モノ。人気モビルスーツであるザクの消しゴムです。出来栄えはよくないですが、今となっては非常に貴重なものでしょう。そんな ガンダム消しゴムですが、こちらはブームを築くまでには至りませんでした。その理由は安価なガンダム関連のプラモデルが大流行したからにほかなりません。 いずれにしても昭和という時代のなかで、【消しゴム玩具】という存在が当時の子供達の一時代を築いた文化遺産であることに間違いはないのです。(おしま い)

一時の隆盛は今いずこ・・・最近ではめっきり使われなくなっ たラインのスタンプなんかも置いています。


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